連載:俳句とは物に寄って思ひを延べる詩である

視線をハードボイルドに・・・・山口誓子

◎夏草に汽罐車の車輪来て止まる
感情を交えずに見たものを構成して俳句にするのが、誓子のいう写生構成でしょうか。

◎七月の青嶺まぢかく溶鉱炉
硬質なもの、これまであまり余計な情緒が加えていない素材選び。

◎冬河に新聞全紙浸り浮く
無表情に見つめる作者の視線がいかにもハードボイルド。感情を表さずに見続けます凄い視界。

◎海に出て木枯し帰るよころなし
この代表作ははるか彼方を眺める眼。

カテゴリ:アート・文化