天恵の一句

晩鐘の音色濡らして時雨かな

綿虫の遅れ付き来る交差点

もう一つ用事忘れし日脚伸ぶ

縄跳びの寒暮速めの馬車通る

竹馬やいろはにほへと数えつつ

寄り合ひの寒灯ひとつ道を成す

干し大根明日香の風に少し痩せ

着ぶくれて叱られてゐる盗み食ひ

カテゴリ:アート・文化