汗の目に甕棺あかし吉野ヶ里 鈴木しげを
汗の目の告ぐるまことにうたれけり 岩井野風男
汗の目はかがやき黄塵の頬はとがり 長谷川素逝 砲車
汗の眼がベルトに巻かれまいとする 棟上碧想子
汗の眼にあらゆる蓋のある蓋屋 川崎展宏
汗の瞳に我子溢れつゝまろびくる 西島麦南
汗の粒貨車を外光に押しいだす 片山桃史 北方兵團
汗の耳老眼鏡を落しけり 黒田櫻の園
汗の肉打ちつけん空の蒼さかな 中島月笠 月笠句集
汗の肋へ五指あて何に攻めらるゝや 川口重美
汗の肌傷つきやすく我鬼忌過ぐ 橋