京芋の皮をむく

天六の市場をうろうろしていると、京芋を売っていた。
天満宮にお参りしたついでに天神橋天牛に寄り、野呂邦暢の『草のつるぎ』と『随筆選・夕暮の緑の光』を手に入れての帰り道ゆえ、懐はさびしかったが、580円のものを奮発した。

一年のうち、364日を我慢してでも、残り一日だけは、奮発して円山公園の平野屋で「いもぼう」を食べたい、と真剣に思うほど芋料理が好きな私である。背中のリュックサックの中で、野呂邦暢の本と京芋とがこすれ合う音を聞きながら家路を急いだ。
家に帰ると、さっそく調理を始めた。
調理のイメージは「うす味の