スウェーデンミステリ史上もっとも出世した捜査官

 レイフ・GW.ペーションの「許されざる者」を読了した。著者はスウェーデン在住のミステリー作家、脚本家であるが犯罪学者として大学教授、国家警察委員会顧問を務めていたことがあるという異色の経歴を有している。本書は、スウェーデン国家犯罪捜査局の元長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソンを主人公としたシリーズの最終巻であるが、同シリーズが我国で翻訳されたのは本書が初めてである。
 2010年7月5日の夜、ストックホルムのカールベリス通り66番にある有名なホットドッグ店「ギュンテシュ」を訪れた主人公のラーシュは、お気に入りのホットドッグを買おうとしていて脳塞栓の発作