来週末には東京を離れると大塚が言った。この時点で、最低ラインの三分の
一しか集客できていなかった。
「仙台からでも一日に一回は携帯で連絡を入れますから、状況を確認しあいましょう。既に協会のイベントでチラシも相当撒きましたから、そろそろ反応ありますよ」
不安そうな山田を励ますように、大塚が言った。
この日、最終打ち合わせのために、イベントのメインゲストとして講演を依頼した著名な随筆家の事務所に行った帰り、ファミレスのドリンクバーだけで既に2時間粘っていた。
事務所の秘書が、大塚がちょっとさばよんで報告した集客の途中経過の数字に、