新年の清か明るむ初日の出 

 年新た三百年の炉が焚かれ  山本一糸

 年始旅雲上人となり翔くる  杉本寛

 年来つつありタンカーの真正面  石崎多寿子

 干菜鳴り吹雪く恵那にも年立ちぬ  加藤春彦

 年立つや波が走りて鴎散る  中拓夫

 年立や格子の前の薄氷  龍雨

 新年の山深く歯朶はみどりなる  室生犀星 十返花

 新年の星座掲ぐる原始林  津田清子

 新年の森で あかるい藻となる 髪 伊丹公子

 新年の客待つ酒は信濃かな  田中裕明 櫻姫譚

 新年の清か明るむ初日の出  アロマ

 橋おのおの影を水面に年迎ふ  長屋せい子

 水 音 の、 新 年 が 来