出光佐三著「マルクスが日本に生まれていたら」読む(2)

そして皇室と国民というものは親子の間、家族ということになった。これが、いわゆる日本の大家族主義のあり方であって、日本の家族制度もそこに源がある。
 そういうわけで、日本人は、物以外に人の心に結び合って、平和にしあわせに暮らすことを祖先から教わっている。物も要るが物のみじゃないんだ。物はむしろ質素にやらなければ、かえって対立闘争するから、質素にやってお互いが仲良く暮らすということを国民が知っている。
 ぼくも学生時代、黄金の」奴隷になるな、と言って資本家のあり方に反発しているし、店を」はじめてからも、事業は金儲けじゃない、という内池先生の教えをくそまじめに