小説「八ヶ岳南麓に生きるー源清光の生きざま」(1)

「八ヶ岳南麓に生きるー源清光の生きざま」 植松自由人

 源清光は54歳になる。此処、八ヶ岳南麓にある谷戸城には、清光の54歳の誕生日を祝って、甲府盆地一帯に所領を持ち居住している、彼の息子たちが集まって来ていた。
 清光には、息子だけでも15人あり、娘を加えれば20人以上の子供たちがいるのである。子宝に恵まれた武人だというのが、清光の代名詞のように思われている。
 その理由は、清光が生まれながらに性欲が強く、好色であることは勿論だが、清光と同時代を生きた平清盛や後白河院なども、清光と同じくらい好色であったと言われ、その時代、平安末期を生きた大多数の男