昭和ノスタルジー・Ⅲ

  おばけだぞー



その日司門君は君より先に家に着いた

洗濯物を取り込んでると君が帰って来るのが見えた

両手に買い物袋をぶら下げて

僕はふと思い シーツを頭からかぶった

ドアの後ろにかくれ君を待つ

君が入ってくるのと同時にワッと現われた

無反応 失敗か

僕はシーツをぬいで君を見た

大成功だ

君はドアにもたれへなへなと座り込む

「おかえりー おどろいた」

君はうつろな目で助けを求める様に

両手を僕の方にさし出す

弱々しくてなんて可愛い仕草だ

予想以上の反応に少しときめきながら

僕は優しく君を抱き起こした

君の手が僕の頭を