天使の成人式
小さな花かごを持って私は病室のドアを開く
君は涙ではらした目で私を見る
こわれそうな微笑をうかべ呟くように言った
「わたし しっぱいしちゃった」
私は黙って君を抱きしめた
私の胸に顔をうずめ君は肩を震わせて声を上げ
「ごめんなさい ごめんなさい」とくり返した
私は君をこの胸に押し込めてしまいたいと腕に力を込めた
「君のせいじゃない 全ては神様の決めた事だ」
「今は身体を治して、元気になって」
「今度は元気な子供をうもう」
君は胸の中で何度もかぶりを振った
それから私たちは三人の子供を授かった
皆優しく