イタリア短歌  6(コロッセオ)

・題:コロッセオ

・着飾った紳士淑女の観覧席 血のサーカスの叫びとささやき

(ミニエッセイ)
ローマのコロッセオ。
2000年前のローマ帝国はパンとサーカスの時代。
この闘技場では動物同士、剣闘士同士、動物と剣闘士が命がけで戦った。
キリスト教徒を餓えたライオンに食い殺させもした。

スタジアムをいっぱいに埋めているのはローマ市民たち。
紳士淑女たちは目の前で繰り広げられる惨劇に眉をひそめつつも、何よりの見世物として楽しんでいた。
人間がひそかに持っている残酷さを、コロッセオは今も訪れる人々に見せている。

カテゴリ:アート・文化