「日本文学史 夏目漱石」 ドナルド・キーン著
ー自己とその周囲を仮借なく描き出すことによって、「道草」は日本の近代小説を新しい芸術的完成の域まで引き上げるのに成功した。しかし、漱石は、そのために、一片のあたたかみさえない小説を書くという代償を払ったのである。
晩年の漢詩は、小説ほどの盛名を読者の間に獲得するには至らなかったが、
漢詩の中に、漱石はときとして、小説の中には見出しえなかった心の平安を得たようである。
2019年3月18日読了
ブックオフにドナルド・キーンの文庫本「日本文学史」置かれてありし 自由人
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