その昔雷鳴続きプラグ抜く


 花どきやとりこぼしたる雷ひとつ  岸田稚魚 筍流し

 花慈姑生駒に育つ子雷  田中英子

  花火百雷天も正気の天ならず  百合山羽公 寒雁

  花胡麻も末となりたる雷雨かな  高橋馬相 秋山越

  花起しの雷といふらむすぐ終る  原子岱子

  芽木林たまたま雷の雲垂りつ  臼田亞浪
 
 苧環の昏れゆく国へ雷わたる  和田悟朗

  茄子植ゑてかみなり癖のつきにけり  藤岡筑邨

  茶をたてるひたすらなりしはたたがみ  小林康治 四季貧窮

  茶柱虫障子の月光雷のごと  加藤楸邨

 草に寝て遠近わかぬ雷ききぬ  川島彷徨子 榛の