連載:宗教2

地獄絵図のこと (自分のためのメモ)

古いお寺には地獄絵図というものがあって、死後にはいかに悲惨な煉獄が待っているかを表している。炎が燃え盛り、釜茹でされて泣き叫ぶ人々、あるいは鬼により道具を使って肉を引き裂かれ苦しみ叫ぶ姿。そんな恐怖を与える絵図が飾られていて、生前に正しく生きるよう促している。

あの白隠禅師も子供の頃にこの絵図を見て、地獄を畏怖するようになり、それが禅を志す動機になったということを聞いたことがある。死ぬとこのような世界が待っていると信じてしまう仕組みなのだ。

ところでひねくれ者の自分は、ある時ふと思った。この釜茹でにされている人や引き裂かれている人は、いったい死んでか