カメラのファインダーが捉えたもの

 A.J.フィンの「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ (上、下)」を読了した。著者は編集者出身のミステリー作家作家で、ロンドンからアメリカに移住しており、本書がデビュー作である。本書は、ニューヨークの高級住宅街の四階建ての屋敷に1人で暮らしているが、広を場恐怖症で家の外に出られず、近所の家を覗くこと、古い映画の鑑賞とアルコールで送る日々の中で殺人を目撃した女性を描いたサスペンス小説である。
 本書のの語り手は、ニューヨークのハーレムの高級住宅街に住む38歳の精神分析医のアナ・フォックスである。彼女は屋上庭園つきの古い四階建てのタウンハウスに、夫のエドおよび