家電買うに余命思うと母の謂う アロマ
春の服買ふや余命を意識して 相馬遷子
余命余命と言いつつ計りかね アロマ
春もみぢ子を前にわが余命言ふ 林翔 和紙
霜柱余命を賭けし一誌冴ゆ 小林康治
足枷の余命の際に葱が立つ 林田紀音夫
大幅に余命を削る菊の前 相馬遷子 山河
誰彼の余命や花の非常口 栗林千津
短日や余命に指を折るひとり 滝本魚顔女 『絵踏』
男来て杉の余命が語られき 中村苑子
田に夫婦見えしんかんと抱く余命 飯田龍太
屠蘇の杯重ね余命を惜しむかな 石川風女
冬ざくら余命の