連載:シニア

「花の隣で見る夢は」

リビングで寝てしまった。深夜に入浴するときは、浴室の灯りは点けず、脱衣所の灯りでこっそりだ。

もう眠れない。もう十分寝た。ラジオからは軽快な音楽。


仕事は疲れた。頭がぼーっ
とする瞬間があった。

30度を越えるゴルフ場で打つボールは飛ぶのだろうか、両国国技館はどれ程厳重な荷物検査をするのだろう。

テレビを点けた。競馬をやっていた。スタートはバラバラ。どんなに訓練したって狭いパドックの扉が開いた瞬間に全速力で走るなんて難しいのだろう。

1頭が先頭に出て、どんどん差が開いていく。このままゴールするのだろうか。
「そうは行かないのよね」
競馬など全