連載:シニア

「爺様の万引き」

イオンは早朝からオープンしている。今日はグラタンの材料を買うというはっきりした目標がある。

生憎探していたアスパラガスがなかったので、エビにした。ぷりぷりしてこちらも美味しい。

結局タマネギニンジンキャベツに牛乳など昨日農家で手に入らなかったものを買い足したので、自転車の前籠に入りきらない量になった。

ハンドルにもぶら下げて、さて自転車を押し出そうとした時、大声がした。爺様が若いガードマンとしっかりした感じの爺様に挟まれて歩いて来た。

万引きだ。若いのが何か言っているが、爺様は認めない。それどころか逆ギレしている。爺様は小さなポシェットを肩から掛