「罪の声」塩田武士著…グリ森の犯人はこいつだったと信じたくなる!

あの未解決事件……昭和59年(1984年)から1年半にも渡って関西の菓子・食品メーカーが脅迫され、未解決のまま迷宮入りとなった「グリコ・森永事件」あるいは「かい人21面相事件」をモデルにしている。

長期間に渡って事件はマスコミで報道され、迷宮入りになったあとも折に触れて犯人報道が蒸し返されてきた事件だ。よく知れ渡っている事件だけに、並みの真犯人はこいつだ的な内容では平凡な小説になってしまう。

そんな危惧をすっ飛ばす着想だ。事件に人生を狂わされた子供たちの人生を感動的なエンターティエンメントに仕上げている。

主人公は新聞記者の阿久津と京都でテーラーを