富田木歩の俳句

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富田木歩(とみたもっぽ)の俳句
1897-1923 大正時代の俳人。明治30年4月14日生まれ。
原石鼎(せきてい),ついで臼田亜浪(あろう)に師事し
「石楠(しゃくなげ)」に所属。新井声風と親交をむすび,
「茜(あかね)」のち「曲水」に参加。幼時からの歩行
不能や生活苦のなかで独自の句をよんだ。大正12年
9月1日関東大震災で死去。27歳。東京出身。
【俳句】
床ずれに白粉ぬりぬ牽牛花(けんぎゅうか)
蚯蚓(みみず)鳴くや肺と覚ゆる痛みどこ
宵ひそと一夜飾りの幣(ぬさ)裁ちぬ
向ひ家の鶉(うずら)声張る雪解かな
たまさかは夜の街見たし夏はじめ