富澤赤黄男の俳句

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富澤赤黄男(とみざわかきお)の俳句
富澤赤黄男は象徴主義の詩の影響を受け、俳句
に抽象表現、隠喩(メタファー)、アナロジー
などの西洋的な手法を積極的に導入して、近代
人の憂愁を表現しようとした。
【俳句】
鶴昏れて煙のごとき翼ひけり
翡翠よ白き墓標のあるところ
靴音がコツリコツリとあるランプ
砲音の輪の中にふる木の実なり
豹の檻一滴の水天になし
花粉の日鳥は乳房をもたざりき
窓あけて虻を追ひ出す野のうねり
蝶墜ちて大音響の結氷期
秋暑し豹の斑の日に粘り
冬蝶の夢崑崙の雪雫

カテゴリ:アート・文化