「劔岳 点の記」(新田次郎著)を読んだ

「劔岳 点の記」 新田次郎著 文春文庫
2006年1月10日発行
ー英国山岳会とは、英国の貴族階級を中心として発達した山登りの会である。
 ただ山に登ることを楽しむ者だけが集まった、言わば山遊びの会であって、金がある者のみがこの会に入っている。
「わが陸地測量部は地図を作ることを本分としている」
 柴崎芳太郎には、大久保少将が、問題は中部山岳地方の測量に関することだということはほぼ想像された。
「山岳会幹事の小島烏水という男が挨拶に来て、越中劔岳について気になることを言い残して行った」
「その未登の山、越中劔岳に山岳会は近々、会員を派遣して征服しようとい