受け継がれる本の記憶

 三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖-扉子と不思議な客人たち-」を読了した。著者は、ホラー系統のライトノベル出身の作家であるが、本シリーズを上梓した以降は、ミステリーも手掛けている。本シリーズは、北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」を舞台とした、古書に纏わるミステリーであり、前巻の第七巻でシリーズは一度完結したが、その後日談として再開されている。本書では、探偵役の美人女店主篠川栞子とワトソン役で従業員の五浦大輔は結婚しており、二人の間には、母親の栞子にそっくりの娘の扉子が産まれている。6歳の扉子は母親に似て、古書を読むのが趣味である。なお、二人の結婚に伴