羊に恋したオオカミの話

本当は出会っちゃいけなかったのかも知れません。
いや、それでももし
ただ出会っただけだったのなら・・・



羊のアンジーはまだ三歳になったばかりの女の子です。
羊の三歳と言うと人間で言えば18~9歳くらいでしょうか。

アンジーが子供の頃
お母さんはいつも言っていました。

「良いかい? 良くお聞き。
 何があってもこの柵を出ちゃいけないよ。
 外には乱暴者のオオカミや、ずるがしこいキツネがいるし
 そうそう!
 体が大きくて岩みたいな怖いクマだっているんだからね。
 なぁに、でもここにいたら安全さ」


アンジーはとても好奇心が旺盛な女の子でした。