岩塩を鰹のたたきに懸けて食ぶ



 あぢさゐを映せる銀の砂糖壺  千原 叡子

 いきいきと砂糖壺より蟻の艶  岡本まち子

 おびき出す砂糖の蟻の黒だかり  杉田久女

 カステラの底の砂糖や山眠る  飯島晴子

 かまつかの朝角砂糖掌に載する  友岡子郷 遠方

 きさらぎや砂糖に残る仏の手  亀世

 きゅっと鳴る紅茶の砂糖秋の昼  高澤良一 宿好

 クリスマスケーキの薔薇は砂糖です  日野草城

 くわりん砂糖漬けて雪待つ湖畔村  野見山朱鳥

 こがらしや砂糖に溺る砂糖匙  宮坂静生 山開

 こほろぎや塩も砂糖もくらがりに  鍵和田[ゆう]子 飛鳥

 しみ~と溶くる砂