味噌煮込みうどん熱々年の暮れ 



 朝のうどんすすれり寒き海を前  佐藤鬼房

 卵入れ土鍋で四分饂飩煮る  アロマ

 鳥帰り汁甘くなる鬼うどん  大木あまり 山の夢

 電柱の月にて夜泣きうどんかな  作道放洋

 二日はやうどん見るがに灣はあり  岡井省二 猩々

 熱々の鍋焼うどん派出所へ  稲垣恵子

 脳天や秋のうどんのために座す  攝津幸彦

 梅うどん甍の反りも春の景  角川春樹 夢殿

 梅雨晴間うどん粉病をやむ植木  高澤良一 暮津

 梅雨霧や港のうどんあつくさせ  高井北杜

 萩こぼつ千松うどん城跡に食う  橋本夢道 無類の妻

 白妙の湯気の釜揚うどんかな