連載:家族

江戸川乱歩と父―その1・父の生い立ちの中から(1217)

比較的最近、wakohは「3代に亘る交流:佐藤春夫と父・他」(1204)というタイトルの日記を記した。その発端となったのは、かつての目白・下落合の我が家がアダチ版画研究所となり、北斎などの版画の修復・複製に関わる番組が放映され、それを契機に、1937年我が家の新築の頃の家族写真を探し出して掲載したことにある。そこには、それまで一度として日記に登場したことはなかった祖父の姿もあった。祖父は明治初期の医師だった。
 その祖父は、和歌山医学校で、佐藤春夫の父、佐藤豊太郎氏と同級の友人だった。佐藤春夫は、その若き日に、文学を志したがゆえに、父親からwakohの父