HP「扁額漫歩」を更新しました。

「如意輪には秋海棠をたてまつれ」(越智越人)
薄紅色の俯き加減に咲く嫋やかな花。しかしよく見ると凛とした強さを秘めている。
江戸期の俳人、越人はその花を如意輪観音に擬える。
如意輪観音というと奈良・中宮寺の半跏思惟像の観音像を思いだす。少し伏し目がちに右の折った指に顎を載せた姿を弥勒菩薩というが寺伝の通り如意輪観音にふさわしいと勝手に思っている。その姿はその花―秋海棠を思わせる。
秋海棠に異名がある。「断腸花」という。この名を聞いた時は永井荷風の日記「断腸亭日乗」を思い浮かべ、花の風情との違和感に戸惑ったことを覚えている。
中国の逸話集「採蘭雑誌」にその