三権分立の三つ子

 早坂吝の「犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー ―探偵AI 2―」を読了した。著者はミステリー作家で、「○○○○○○○○殺人事件」で2014年第50回メフィスト賞を受賞し、作家デビューしている。本書では、前作で探偵AI(相以:あい)に敗れた犯人IA(以相:いあ)の反撃が描かれている。
 殺害されたAI研究者で大学教授の合尾創は探偵AIの相以を創るが、相以を訓練するために犯人AIの以相も創っている。創の息子の合尾輔は、相以とともに私立探偵事務所を開業するが、相以の活躍が政権与党の目に留まり、警察業務の一部をAIに代行させることの試行に相以が抜擢され