「21世紀 仏教の旅 中国編」 五木寛之著 講談社
2007年4月25日発行
ー「結局、禅は呼吸ですな」
呼吸によっていたる境地は、宇宙と一体である自分に「気づく」感覚ではないかと思う。
先に「アナバーナ・サテイ・スートラ」という経典のことを書いた。
「サテイ」とは、このように「意識する」ことなのである。
サンスクリット語では、呼吸のことを「プラーナ」という。
呼吸を意識することは、いのちを意識することに違いない。
白隠禅師の「自己と宇宙全体が一体となる」境地へのはじめの一歩なのだと思う。日々の小さな「サテイ(気づき)」の積み重ねが、私たちのいのち