「共演・競演・競艶?」三人の女方が盛上げる暮れの歌舞伎座

12月大歌舞伎夜の部は、玉三郎・児太郎・梅枝の若手・ベテラン女形の共演だ。ベテランは人間国宝だから競演と言うことにはなりはなり得ないが、後半の演目では梅枝・児太郎の「競艶」と言える舞台となっている。
先ずは「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」。この狂言はあの「科学者」平賀源内の作である。みどり狂言では頓兵衛の場が上演されることが殆どだ。この場面での主役は新田義峯に片想いをしながら最後には非業の死をむかえる頓兵衛の娘お舟である。梅枝が初役で挑む。心優しく愛らしい娘が最後には立ち回りを演じるという役柄であるが、10月、三人吉三のお嬢を演じた梅枝に