肥満とは:わが国では人間ドック等の機会を通じて、比較的多くの健常人に対して腹部CTが撮影されており、CTを活用した内臓脂肪型肥満の診断と検証が進められた結果、腹部CTで臍(へそ)の位置の断面像から内臓脂肪面積を算出すると、100cm2以上の場合にはそれ以下の場合より合併する疾患数が50%増加していることが明らかになり、100cm2以上を内臓脂肪の過剰蓄積と判断することが定められた。

CT検査は一般の診療所や健診で簡単にできないことから、内臓脂肪面積100cm2に相当する腹囲、すなわち臍の高さで男性85cm、女性90cmをもってスクリーニング検査値と定められました(腹囲と内臓脂肪面積の相関:男性(6,191人)でr=0.82、女性(1,178人)でr=0.79、川崎ら.Arts and Science 53:1462-1466 )。このような定め方はCTをドックにも多くもちいている日本独自の方法であり、他の国の腹囲基準は、CTでの内臓脂肪面積との相関で定められたものはないので、各国の間で腹囲に対する考え方が異なるのです。
内臓脂肪型肥