誰かもっと高齢の方が来たら替わればいい。そう思って私達は優先席に座った。あと一人分席は空いている。
最後に乗って来たのは黒いサングラスを掛けた婆様だった。運転手に何かを聞いた。運転手は丁寧に答えている。長い。
私はそんなこと乗ってから聞かないでよと腹立たしく思いながら見ていた。
婆様は空いている優先席に座った。見ると赤地に白十字のマークをバッグに付けている。
バス内にそのマークの意味を説明したものが貼られていた。私は近付いて読んだ。援助を必要としている方だ。女性は目が悪いのだろう。
私達は葛飾の水元公園を目指していた。金町駅で降りてバスだ。来
連載:友人どのお出かけ