「朱鷺の墓下」 五木寛之著 新潮文庫
昭和57年1月25日発行
ーやっとのことで、この本を、甲府市立図書館で入手した。自分の本でないので、赤線は引けない。でも何とか読了した。
ー「イコンは偽物でも、あなたたちは本物です」
「あたしはマルグレッドという娘さんと、どんな夜をすごして帰ってこようと、怒ったりしません。ただ帰ってきてくれさえすれば。そして私のことを忘れてしまいさえしなければ」
「こんど日本へ行ったら、そこで死ぬような気がする」
と、ふとイワーノフが言った。
「日本を自分の国のように思ってくださればいいのに」
イワーノフが感慨ぶかげに深いた