「ブルックリンの少女」 ギヨーム・ミュッソ著


結末を読者に委ねる方法は、時として読後感に賛否両論を巻き起こす。著者はあえて無難な道を選ばず、成功した。

この小説の描き方は独特だ。結末に複数の登場人物を主人公にして、それぞれの過去を描き、結末の先には明るい光が見えるように企てている。

読者であるワタシは良質のミステリを楽しんだ余韻に打ち震える。流し読みをすべき小説ではなく、ページごとに本を膝の上に置き、時間をかけて作者の意図を考えながら読む醍醐味を味わった。

流行作家、ラファエルの婚約者がニースで失踪したのが、2016年9月1日。5日目に、二人はNYで再会するまでの物語だ。

たった5日の間に