「マイストーリー　私の物語」　林真理子著　朝日文庫
２０１８年７月３０日発行
ー「石ころの記」というタイトルのその本は、酒井が自費出版したもので、編集したのが太田恭一である。
　これほど急激にインターネットが普及し、人々が本を読まなくなったという事態をいったい誰が想像していただろうか。
「全く、小説を読む人間はものすごい勢いで減っているのに、小説を書きたい人間はどんどん増えているのは出版社としてはつらいところですよね」
　「もはや印税だけで食べていける作家は、一部の者だけだというのはさんざん聞かされてきた」
「太田さん、昔、有名な作家が小説家にとっていち