17、「おんぶにだっこ」(さくらももこ著)は幼年期を描く

「おんぶにだっこ」 さくらももこ著 小学館
2006年11月20日発行
ーだからそれが嫌なんだよ、と私はとうとう我慢できずに「似てるって言われると思ったから、イヤなのっ」と言って人形を放り投げて泣いた。
 私は人形の顔をよく見た。丸い顔も小さい目も口も鼻も、自分に似ているところが切ない気持ちになり、可愛がってあげないと、かわいそうだよな・・と思った。
 人の物を盗んでまで欲しい物なんて何ひとつない。
 あえてきいた事もないが、私はたいして印象に残らない人物なのだ。子供の頃からそれは自覚していた。
 私たちは、華のあるなしという違いはあれど、趣味はすごく合