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「弥生3月に」

ホームの二階から外を眺めた。遠くに見える河津桜の辺りに白い湯気が立ち上っている。そこだけに朝日が当たっているのだ。

桜は既に盛りを過ぎ、ピンク色は色褪せ緑色が混じる。


久しぶりの早番で起きるのが遅くなり、慌て気味に家を出た。

小学校の脇の小径は7時からスクールゾーンだから、早番の時にしか通れない。今は学校は休みだから心配いらない。

数十メートル行くと、左手にペット霊園に通じる植栽がある。土が光っている。

キラキラとまるで宝石のようだ。霜だ。今まで見た霜は、白い土一面が均一に光ったが、これはところどころに大粒のダイヤモンドが混じる。引き返したい