連載:薩摩よみうり文芸

薩摩よみうり俳壇3.28(土)

読売俳壇・俳句 3月28日
飯蛸を誘いひ出したる赤いきれ    霧島・内村 敏雄
 ※「飯蛸」は春の季語。海の浅瀬に棲み、体長25㎝の
 小型タコ。このタコを捕獲するのに「赤い布」を脅し
 に使ったという訳。なんとも機知に富んだ、それでいて
 ユーモアのある穿ちの一句。
溶岩(ラバ)晴れて影に躓くおぼろかな 霧島・秋野三歩
青空をすっぽり隠す梅真白      鹿屋・岩元アサ子
霧島の泥湯に揺るる春灯し     薩摩川内・大平正通
原野より鉄塔続き山桜         霧島・尾上春風
のどかさや社と寺の隣り合ふ     鹿児島・上坪満代
目を開けて瞑りて山