連載:友人どのお出かけ

「倒れても生きている」

爺様が一人で新聞を読んでいた。広いテーブルにあんな風に広げたら気持ちいいだろう。

脇には自転車が停めてある。駐車場はロープが張られ閉鎖されているから、ここに来るには自転車か徒歩しかない。

脇を通り過ぎた。自分で作ったような簡単なランチも置いてある。私は並んだテーブルの一つにリュックを下ろした。

もう一人。やはり爺様で、こちらは既設のテーブルや椅子があるのに、折り畳みのゆったりした椅子に腰掛け、広場を向いている。

広場の周りは高い木に囲まれているから、そちらを向くと確かに開放感がある。爺様の耳にはイヤホン。まるで広場を独り占めしているような贅沢感が