連載:山での独り歩き。

5月、奥美濃の春山  ( 物持ち自慢 ⑤ )  日記 1819

古い思い出の話でごめんなさい。
貴重な想い出の写真が、今日の物持ち自慢です。

奥美濃は、若狭越えの山境の山群だった。
土地の山地主に頼み込んで、深入りした山だった。
姿の通り、藪越えの破れ姿の、野宿三日間だ。
山裾は村外れの寺社に泊り、山中をほっつき歩く。

五十年の前は、未だ雪深い頃の奥美濃だ。
それは、雪ドッサリあれど、立木の深さの方が、勝っていた。根雪のなかでの登攀が強いられ、ストッキングが一日にして破けた。

写真の『輪カン』と【シールを装着のスキー板】まで、構えた藪の春山だった。ガイドブックに載らない若狭越えの一千米の藪峰だった。

カテゴリ:スポーツ・アウトドア・レジャー