愚かな自分

浄土というと、
死んでから行くところという風に考えているのだが、
いま生きているところが浄土である。

そこは上下や優劣、貴賤、
美醜、そして、快不快という
比較や差別のない無分別の世界。
そのなかに自分も丸ごと入っている。

他のすべての生物が
この無分別に従って生きているのに、
人間世界には差別や分別がある。
それは、人間にだけ備わった自我があるからだ。

自我の特徴は、

自分だけは、
自分こそは、
という自分中心の考え方。

このために苦しみが生み出される。

浄土の世界に沿って生きていれば
何の波風も立たない
凪いだ海のような状況になるのに、