【ブックレビュー・チャレンジ】× 4日目

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「小林秀雄の思ひ出」
その世界をめぐって 郡司勝義 著 文藝春秋

大学生になって東京の下宿で名著「考へるヒント」に会って以来20代から私は 小林秀雄を読み続けている。かといって未だこの大作家の神髄に遥かに遠い。

この書は編集者として側にいた人物の眼で書き綴られている。古本店でふと手にした。鎌倉を舞台とした文士との交友や酒の席での乱業、激論も書かれている。

小林秀雄が中原中也と別れ、女性との同棲に疲れ果て関西に出奔する、文壇で有名な事件も繋がる。大阪の道頓堀をうろついていた時、突然ト短調シンフォニイの有名な