家で観る映画、例えば「旅のおわり世界のはじまり」

◎「旅のおわり世界のはじまり」 2019年 黒沢清 日本・ウズベキスタン・カタール合作 東京テアトル


黒沢清の作風は「気づき」である、とする批評家がいる。
日常生活で押さえていた怒りや殺意しかり、忘れていた愛しかり。
それらを抱えた不確かな自分、世界に気づく。
それを、ホラー系であろうがメロドラマ仕立てであろうが、どちらでもその特徴で貫く、というわけです。


ウズベキスタンを舞台としたこの作品も、ある若い女性が自分を探しにいく旅であり、そこで本当の自分に気づく旅、との解釈のようだ。
と言っても主人公は単なる旅行者ではない。
葉子(前田敦子)は、テレ