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「まだ間に合う?!」

薄い黄色、白、紅。まだ、50センチ程なのに既に花が咲いている。私は直ぐに籠を取りに行き、三鉢を入れる。一鉢298円。

タチアオイが気になって仕方なかった。畑や田圃の隅に見付けると、痛みに似たような感情が走った。

新潟の夏、盆地の村はうだるような暑さだった。その暑さをものともせず、真っ直ぐ青空に向かっていた。私達子供は花片を裂いて鼻に付け、にわとりのまねをして遊んだ。

私が好もしく思うのは、故郷に繋がるものばかりだ。

1年の半分近くを重く垂れ込めた雲に塞がれる日本一二位を争う豪雪地帯。

ホームセンターには花がぎっしり並んでいる。殆どなくなっていた