薫風のテラスに一人ダージリン



 
 卵置く皿の余白を風薫る  松本三千夫

 旅程変へばやなど薫風に草鞋とく  種田山頭火

 子等入れて古墳百穴風薫る  野見山ひふみ

 歴史には残らぬ男薫風に  相馬遷子 山河

 帆のごとく薫風の中歩みけり  川合憲子

 法鼓いま薫風に明く蔵王堂  加古宗也

 薫風に白い日傘で歩み行く アロマ

 水月照る疾き魚も見ゆる風薫る  河東碧梧桐

 薫風のテラスに一人ダージリン アロマ

 灯台に裏表なし風薫る  岩崎照子

 薫風にたてがみ靡かせて自由  柴田奈美

 ワンピース薫風孕み帆の如く  アロマ

 薫風の島のポストに落す文