連載:倭人伝の真実に迫る

16. 東南(奴国)と東行(不弥国)を考える

いよいよ奴国、不弥国である。邪馬台国論争の中で伊都国まではほぼ決まっているが、ここから先が未解決で未知の領域である。倭人伝をよく見ると、ここに「陳寿の仕掛け」が仕込まれている。古の旅人は東南と東のどちらの道を選んだのだろうか。
●東南奴国に至る、百里・・二万余戸あり。
●東行、不弥国に至る、百里・・千余家あり。
この二つの文章に「何かおかしい!」と感じるところがある。最初に気づいたのは古田氏だったと思うが、ここに倭人伝の謎を解く「陳寿の仕掛け」がある。

16.1 東南には、なぜ「行」の字がないのか
上記の二つの文章を見比べると、奴国は東南だけで「行」の