連載:倭人伝の真実に迫る

15. 卑弥呼の鏡(超大型鏡)を考える

今回は、少し道筋から離れて卑弥呼の鏡について考える。伊都国に平原遺跡があり、ここから出土した5面の超大型鏡の文様、「九重の同心円」が魏からの下賜品である証左だと考えている。ところが、この文様やサイズ、鋳型に流す銅の注入方向が中国鏡に類例がない、鋳造技術が低い、ということで国産鏡という意見が強いようである。しかし、中国に類例がない文様、「九重の同心円」と「鈕座花文8葉」、中国鏡の2倍もあるサイズこそが卑弥呼に対して特別に魏が作った鏡だと考えている。

15.1 九服の制と九重の同心円文
 平原から40面出土したが添付図にその例を示した。左が超大型鏡、右が大