連載:梅雨もまた楽し

梅雨もまた楽し(26) 近場ドライブその三、井原市、田中美術館

 先日、岡山県西部、井原市にある木彫作家「平櫛田中」の作品を展示した田中美術館に出かけて来た。平櫛田中は現井原市出身で高村光雲、萩原碌山などと並ぶ近代日本の代表的な彫刻家の一人で、岡倉天心に師事、芸大教授も務め1962年文化勲章も受け、1979年、107歳で亡くなっている故郷の偉人だ。
  平櫛田中の作品は初めてだったが、アートに弱い私にも精魂込めた作品の迫力は十分感じられ、私なりに納得しながら鑑賞した。中でも鏡獅子像、五浦釣人、幼児狗張子、岡倉天心像など代表作はさすがの感じだった。
  平櫛田中は明治、大正、昭和三時代を通して活躍し、彫刻以外にも書をた